はじめに
「コーチングを始めてみたけれど、気づけばやらなくなってしまった…」そんな経験はありませんか?
続かないのは、決してあなたの意思が弱いからではありません。実は、多くの場合、原因は環境や仕組みづくりにあります。
今回は、コーチングが続かない主な理由と、習慣化のための具体的な工夫をご紹介します。初めての方でも取り入れやすい方法ばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜコーチングは続かないのか?7つの主な理由
1. 目的があいまいで成果を実感しにくい
「なんとなく良さそう」と思って始めても、方向性が定まっていないと、途中で迷子になってしまいます。ゴールが見えないままでは達成感を得られず、続ける力が弱まります。
たとえば「自己成長したい」という想いは素晴らしいですが、それだけでは曖昧です。「半年後にプレゼン力を高めたい」「3ヶ月で毎朝の習慣を整えたい」など、具体的な方向性があると、道筋が見えやすくなります。
2. 行動計画が大きすぎて負担になる
理想を一気に目指そうとすると、日常の中で負担が大きくなり、だんだんとやらなくなってしまいます。小さな一歩を積み重ねることが大切です。
大切なのは「できる範囲」でスタートすること。「毎朝30分」より「まずは5分だけ」にする方が、継続しやすくなります。
3. 日常生活にうまく組み込めない
「時間があればやろう」と思っていると、忙しさの中で後回しになりがちです。生活の流れに組み込めないと、継続は難しくなります。
コーチングで扱う内容は、一見「余白の時間」にやりたくなるもの。でも実際は、その余白こそ意識的に作らないと確保できません。習慣の「ついで」に乗せる工夫がポイントです。
4. 周囲からの理解やサポート不足
家族や同僚が理解していないと、時間や環境の確保が難しくなります。孤独感やプレッシャーも、継続を阻む要因になります。
「また自己啓発?」「意味あるの?」そんな言葉を浴びると、自信を失ってしまいます。環境づくりは、自分の価値観を守るためにも重要です。
5. 自分だけで抱え込んでしまう
困ったときや迷ったときに相談できる相手がいないと、自己流で行き詰まりやすくなります。
1人で考え続けると、視野が狭まりがちです。「どうしてうまくいかないんだろう」と悩んだら、信頼できる人と話すだけでも、整理が進みます。
6. 感情の波に振り回されてしまう
やる気のある日とない日の差が大きいと、気分によって行動が左右されてしまいます。
特に女性は、月経周期やホルモンバランスによって気分の浮き沈みが出やすいこともあります。感情の波に備える「行動の選択肢」があると安心です。
7. 成果を数値化・可視化していない
少しずつ前進していても、見える形で実感できないと「進んでいない」と感じてしまい、やる気を失います。
人は「できた」を感じることで前向きになれます。行動を記録したり、Before/Afterを比較する工夫をすると、モチベーションの維持につながります。
コーチングを習慣化するための7つの工夫
1. 目的とゴールを具体化する
「なぜコーチングを受けるのか?」を明確に言葉にしてみましょう。期限や数字を入れると、さらに行動がしやすくなります。
例:
- ×「自信をつけたい」
- ○「3ヶ月後の発表会で堂々と話せるようになりたい」
目的が明確になると、迷ったときの「軸」になります。
2. 小さな行動に分解する
いきなり大きな目標に挑戦するのではなく、「1日5分」「1つだけ実行」など、取り組みやすい形にしましょう。
ToDoリストを「細かく分ける」ことも効果的。「資料作成」ではなく「スライド1枚作る」など、小さく切ると進めやすくなります。
3. 実践時間を生活のリズムに固定する
朝のコーヒーの後、通勤電車の中など、すでにある習慣に紐づけると忘れにくくなります。
行動は「タイミング」で習慣化されます。「朝5分、鏡を見る前に」「帰宅後、靴を脱いだら」など、日常とセットにしましょう。
4. 周囲に公言してコミットメントを高める
家族や友人に「続けたいこと」を伝えることで、応援や協力が得られます。SNSでの記録も効果的です。
人に伝えることで「見られている意識」が働き、自然と行動につながります。
5. 定期的なフィードバックを受ける
コーチや第三者との振り返りは、軌道修正や成長の確認に役立ちます。
「何ができて、何ができていないか」を一緒に見直してくれる存在は、自分の可能性を信じ続ける力にもなります。
6. 記録ツールやアプリを活用する
習慣トラッカーやカレンダーアプリで進捗を見える化すると、小さな達成感を積み重ねられます。
日記アプリや付箋、シンプルなチェック表でもOKです。「〇がつく」という視覚的達成感は想像以上に効果的です。
7. モチベーション低下時の非常用プランを用意する
「今日はやる気が出ない…」という日でもできる“最小限の行動”をあらかじめ決めておきましょう。例えば「今日は3分だけ」や「記録だけつける」などです。
ゼロにしない工夫が、リズムを守るカギになります。
コーチング継続を助けるサポート環境の作り方
家族や同僚に理解を求めるための会話例
「今、自分自身の見直しのためにコーチングを受けていて、週に1回はこの時間を大切にしたいんだ」
このように、あなた自身の変化を前向きな言葉で伝えることで、相手も「応援したい」と思ってくれる可能性が高くなります。とくに、家族との関係性を良好に保つためには、「なぜそれが大事なのか」を丁寧に説明することが大切です。
たとえば、「あなたとより良い関係を築きたくて自分を見つめ直しているんだ」「子どもと向き合う時間をもっと大切にしたいから、自分を整えている最中なんだ」と伝えると、共感を得られやすくなります。
また、同僚に対しては「自分の強みや改善点を客観的に見つめ直すための時間なんだ。仕事にもきっとプラスになると思ってるよ」といった伝え方も効果的です。
同じ目的を持つ仲間やコミュニティへの参加
孤独感を感じやすい自己成長の道のりにおいて、仲間の存在はとても心強いものです。オンライン講座やグループセッション、読書会、習慣化チャレンジなど、同じ目標をもつ人たちとつながれる場所を探してみましょう。
仲間がいることで、自分の変化や努力が「認められている」と感じられます。たとえば「今週もがんばったね!」という一言や、「私も同じところでつまずいたよ」といった共感が、継続するモチベーションに変わります。
ときには、自分とは違う視点からの気づきをもらえたり、新たな行動のヒントを得たりすることも。コミュニティの力は、思っている以上に大きいのです。
オンライン・オフラインのサポートの使い分け
- オンライン:時間や場所の自由度が高く、全国・世界中の人とつながれるメリットがあります。移動が難しい方や育児・仕事で時間が限られている方には特におすすめです。録画コンテンツやチャットサポートなど、柔軟な活用が可能です。
- オフライン:実際に顔を合わせることで、相手の表情や声のトーンから信頼感が生まれやすく、より深い対話が可能になります。空間の持つエネルギーや雰囲気に助けられて、思いがけない気づきを得ることもあるでしょう。
理想は、どちらか一方に偏るのではなく、目的やライフスタイルに合わせて柔軟に取り入れることです。たとえば、日常的にはオンラインで習慣を維持し、定期的に対面イベントで仲間との関係を深める、というハイブリッドなスタイルもおすすめです。
実際の継続事例
Aさん:週1回のセッション+毎日3分の実践で自己肯定感がアップ
もともと「自分に自信がない」と話していたAさん。最初は習慣化に不安を感じていましたが、「1日3分だけの振り返り」を継続したことで、自分の変化に気づけるようになりました。
最初の頃は「こんな短時間で本当に意味があるのかな?」という戸惑いもあったそうですが、記録をつけて振り返ることで「思っていたよりもできている自分」に気づくことが増え、自信を持てるようになったそうです。
「小さなことでも“できた”と認められるようになった」と笑顔を見せてくれました。今では、セッションで話す内容も前向きなトーンが増え、職場での発言にも変化が出てきたと実感しているそうです。
Bさん:家族に「この時間はコーチングの時間」と伝えて習慣化
3人のお子さんを育てるBさんは、最初「自分の時間をとるなんて申し訳ない」と感じていました。でも、コーチと一緒に「まずは週に30分だけ、自分を整える時間を確保する」と決めて、家族にもその想いを伝えました。
予定表に「コーチングタイム」と明記し、子どもたちにも「ママは今、心の勉強中なんだよ」と伝えたところ、子どもたちも興味を示し、「応援する!」と背中を押してくれたそうです。
習慣化が進む中で、家族の中に自然と対話の時間が増え、夫婦間の会話も深まったとのこと。Bさんは「自分を大切にすることが、家族を大切にすることにもつながると気づけました」と話してくれました。
Cさん:アプリで記録を続け、達成日数が増えることでモチベーション維持
仕事と家事に追われるCさんは、「とにかく無理なく続けたい」という思いから、アプリでの習慣記録に挑戦しました。最初は気まぐれに入力していたものの、カレンダーに表示される「継続日数」が増えていくのを見て、次第にやる気がアップ。
「3日続けたら1つご褒美」「10日続いたら好きなカフェに行く」など、自分なりのごほうびルールも設定して、楽しみながら継続することができました。
今では、週1回の振り返りコメントも追加し、アプリの記録を読み返すのが習慣になったそうです。「続いていることが見えるって、こんなに力になるんだと実感しています」と笑顔で語ってくれました。
チェックリスト|あなたの継続を阻んでいるのはどれ?
以下のチェックリストに、心当たりがある項目はありますか?
- 目的があいまい:なぜやるのかが明確でなく、行動に一貫性が持てない。
- 行動計画が大きすぎる:最初から完璧を目指し、実行のハードルが高くなっている。
- 環境が整っていない:静かな時間や場所が確保できず、集中しづらい。
- 感情の波が大きい:やる気に波があり、気分に左右されやすい。
- 成果を可視化していない:進捗を振り返る手段がなく、達成感を得にくい。
- 一人で頑張りすぎている:相談やフィードバックが得られず、孤立感が強まっている。
- 続ける仕組みがない:時間の固定やリマインダーがなく、行動が思い出せない。
当てはまる項目が2つ以上ある方は、いまのやり方を見直すチャンスかもしれません。
コーチングを継続するためには、「自分に合ったやり方」を見つけることが大切です。
無理にがんばるのではなく、**自然と続けられる“仕組み”**を整えることで、日々の取り組みがもっと心地よく、前向きなものになります。
ぜひ、1つでも多く「できそうな工夫」を取り入れてみてください。
まとめ|続けられる仕組みをつくれば成果は加速する
コーチングが続かないのは、意志の弱さではなく、環境や仕組みの不足が原因であることが多いです。
小さな一歩を積み重ね、周囲の力も借りながら、自分に合った習慣を作っていきましょう。
“続けられる私”をつくることは、“望む未来”につながる確かな一歩です。
あなたの歩みが、より軽やかに進んでいくことを応援しています。